ドードーブチは四畳半ほどの丸い壷型になっていて、

滝の下は小学生の高学年でも足が届かないほど深くえぐれている。

ドードーブチの上は、両側から大きな岩が迫り出し、

V字型の水が勢いよく下の壷へ落ちていた。

ドードーと音をたてながら。
 
岩の横には、大きな合歓の木が、青々と繁り、

丸い壷にすっぽり蓋をしていた。

合歓の木は梅雨が終わる頃、フワフワとした美しい桃色の花をつける。

そして、将太たちが夏休みに入る頃には花も落ち始め、

川面に揺れながら、茶色い醜い塊となって、

隅の方にプカプカと浮かんでいた。
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# by ryomanosuke | 2010-09-14 19:01 | 夢の中で
それから後のことは断片的にしか覚えていない。

意識の外で何かが始まり、何かを話し、

何かに心を動かされ、しかし、ゆっくりと時間は過ぎていった。

頭の中に霧がかかったように。

霧が晴れた時、沙希の寝顔が横にあった。

すべすべとした幼児のような肌に、

銀色の産毛が淡色のルームライトに輝いている。

長い髪が耳の辺りで分かれ、尖った鼻にかかっていて、

それをそうっと指で直した。沙希の瞼がピクッと痙攣した。
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# by ryomanosuke | 2010-09-13 22:20 | 夢の中で
いつか・・・聴いたことがある。

いつだったか、思い出せない。

重くて、苦しくて、悲しくて・・・。

世界じゅうの、ありったけの悲しみを、大きなバルーンに詰め込んだような。

思い出せないのが苦しい理由ではない筈。

ならば、何故こんなに苦しいのだろう。

口を塞がれているような、でも、ちゃんと心臓の鼓動は聞こえているのに。

何故、こんなに苦しくて身体が動かないのだろう。


夢の中で奏でる旋律は、私の身体に覆いかぶさり、苦しめる。


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蒸し暑い雨の日が続くことが多くなった。

あのビバルディの四季のような激しい雨が、時折通り過ぎる。

この季節の緑は、日に日に成長し、

人間世界の憂鬱をよそに、生き物の騒がしさが目に入る。

そうして、暑い夏に向かって色濃くなっていく。

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(大阪・鶴見緑地の大池)
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# by ryomanosuke | 2010-06-26 13:19 | 日向散歩
まださめ切らないボクの夢を、

やわらかな日の光りが撫でてゆく。

今日は休み? 何曜日? 仕事は?

そんなことどうでもいいじゃないか、どうでも。

目を瞑ったまま、ぼんやりと考えた。

けど、それ以上考えることは止めにした。

こんなに、心地いいんだ。

庭に落ちるカエデの残像。

あと、3時間だけ。


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# by ryomanosuke | 2010-06-15 21:31